【ドメイン深掘り・第5回】:「?id=123」の意味を完全解説 — クエリパラメータとSEOの真実

webの仕組み

「?id=123」の意味を完全解説 — クエリパラメータとSEO

URL の ?id=123 は古い記法に見えるかもしれませんが、実は Webの根幹です。本稿では、クエリパラメータの構造・WordPress内部での扱い・SEO/Google Search Console(GSC)での評価まで、実務目線で整理します。


1. 導入:「?id=123」は何をしている?

https://example.com/view.php?id=123 のように、? 以降には キー=値 のペアが並びます。これは「サーバーに命令を渡す」仕組みです。

https://example.com/view.php?id=123&mode=edit └ view.php を実行 → id=123 の記事を、mode=edit で表示せよ
ポイント: クエリは 複数 語を & で連結できます(例:?q=wordpress&lang=ja&page=2)。

2. サーバー側(PHP)ではどう見える?

PHPでは $_GET 配列で取得します。例:

<?php
$id = $_GET['id'] ?? null;
$mode = $_GET['mode'] ?? 'view'; if ($id !== null) { // DBから記事を取得(疑似コード) $post = fetch_post_by_id((int)$id); if ($mode === 'edit') { render_editor($post); } else { render_post($post); }
} else { http_response_code(400); echo 'Bad Request: missing id';
}

要するに: クエリは「同じスクリプトでも出力を変えるためのパラメータ」です。

3. HTML → PHP → WordPress:見た目は違っても中身は同じ

時代 典型URL 内部処理 メモ
HTML /about.html 固定ファイルを返す URL=物理ファイル
PHP初期 /view.php?id=123 $_GETで分岐しDBから生成 動的ページの基本形
WordPress /2025/10/sample/ Rewrite→index.php?year=2025&monthnum=10&name=sample 中身はクエリ(WP_Query)
重要: 見た目が「きれいなURL」でも、内部では今も ?key=value の集合で動いています。

4. WordPressの内部:Rewriteでクエリ化

WordPressは .htaccess(mod_rewrite)で、すべてのリクエストを index.php に渡します:

# 実ファイル・ディレクトリが無ければ index.php に渡す
RewriteCond %{REQUEST_FILENAME} !-f
RewriteCond %{REQUEST_FILENAME} !-d
RewriteRule . /index.php [L]

例:/2025/10/sample/ → 内部で /index.php?year=2025&monthnum=10&name=sample に変換。
WP内部では WP_Query がこれらの値を解釈してコンテンツを生成します。

5. SEOとGSC:クエリURLはどう評価される?

5-1. 正しく評価されるケース

  • 内容が 実際に変わる(例:?color=blue vs ?color=red
  • 論理的に別ページ(カテゴリ・フィルタ・検索結果など)
  • rel="canonical" を適切に設定し、内部リンクの方針が一貫

5-2. 問題が起こるケース

  • 同一内容なのに ?ver=?utm_?session などが付いた重複URLが量産
  • サイト内リンクで「末尾スラッシュ」「パラメータの有無」が混在
  • フィルタ条件が無制限(無限にURLが生成されクロール資源を浪費)
GSCの典型警告:「重複しています。正規 URL が選択されていません」
→ 対策:内部リンクの統一、canonical 確認、不要パラメータの露出抑制(例:?utm_ を内部リンクに付けない)。

6. よくある誤解と実務ポイント

誤解 現実
?id= は古い・SEOに弱い 内部原理は今も同じ。正規化・一貫運用なら問題なし
GoogleはパラメータURLを評価しない 正規URLとして提示されていれば評価対象
トラッキング用 ?utm_ はSEOに悪影響 canonical が適切なら評価は正規URLへ集約
パラメータは避けるべき 設計と統制があれば安全に活用できる
運用Tips: 内部リンクは常に正規URLを使う。トラッキングは外部配布リンクに限定。無制限の絞り込みは「noindex+適切な内部リンク」でクロールを制御。

7. まとめ

  • ?id=123 は「サーバーに指示を渡す」基本仕様。
  • 見た目がパーマリンクでも、内部はkey=valueの集合で動く。
  • SEOは canonical と内部リンクの一貫性がカギ。不要パラメータの露出は抑える。

次回予告:#アンカーの正体

次回は URL末尾の #fragment(アンカー)を深掘り。ページ内リンク、JSナビ、SPA構造との関係、SEO評価の境界を解説します。