1970年代のスズキ・キャリイやダイハツ・ハイゼットなど、2サイクル360ccクラスの軽トラックでは、 プラグが溶ける・始動性が悪いといったトラブルの原因が「点火時期のズレ」にあることがよくあります。 本記事では、上死点前2.0mmを基準に合わせる方法を解説します。
なぜ点火時期が重要なのか?
ポイント点火式では、接点の摩耗や調整ズレで点火タイミングが早まりがちです。 進角しすぎると燃焼温度が上がり、プラグ先端が溶けたり最悪ピストンに穴が開くこともあります。
必要な道具
- ダイヤルゲージ(プラグ穴に装着できるタイプ)
- タイミングライト
- シックネスゲージ(ポイントギャップ調整用)
- 基本工具(プラスドライバー、スパナ類)
点火時期調整の手順
- プラグを外し、ダイヤルゲージを装着してピストン上死点(TDC)を確認。
- ピストンを上死点から下げて上死点前2.0mmの位置を測定。
- その位置でポイントが「開き始める」ようにプレートを回して調整。
- フライホイールにFマークがある場合は、2.0mm位置と一致するか確認。
- 最後にタイミングライトで、アイドリング時にマークが規定位置で点滅するか確認。
注意事項
- 車種により規定値は上死点前1.8〜2.0mmの範囲の場合があります。
- Fマークは信用できない個体もあるため、必ずダイヤルゲージで実測してください。
- ポイントやコンデンサーが劣化していると、調整しても症状が改善しないことがあります。
まとめ
2スト軽トラの点火時期は「上死点前2mm」が基本。 ダイヤルゲージで基準を出し、タイミングライトで動作確認すれば安心して走れるようになります。 プラグ溶けや始動不良で悩んでいる方は、まず点火時期の確認から始めてみましょう。

